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スカルプチャープロジェクトミュンスター2007 [現代アート]

リポートというほどではないけれど、これからお出掛けになる方のためにミュンスター、カッセル、ヴェネチアについて書いておく。

まず、ミュンスターは10年に一度の野外彫刻展で、ヴェネチア、カッセルから廻って見てくると、ある種「大人な感じ」を持つことになると思う。地に足が着いている、という感じである。
 私の場合は、プレスオープニングに行き、初夏のドイツらしい「豪雨のような夕立」に合ったこと、ぎっくり腰(2日徹夜すると必ずなる)になっていたこともあって、前回のように作品をたくさんチェックすることが出来なかったが、それでも10年前よりは、定期バスの運行や貸し自転車が簡単に借りられるようになって観客のためのサービスが劇的に改善されていたのが印象的だった。
 例えば、アー河畔の散歩道をカメラ片手に歩いていると、ジョギングする人、犬と一緒に散歩する人などとたくさんすれ違う。その時に、私はまだ東京の早歩きを引きずっているのだが、ミュンスターの地元の人々は精神的なゆとりというか、温和なアウラというか、そういう良い感じがあって、自分が情けなくなった。だから「次のミュンスターは時間的に余裕を持ってくるぞ」と心に誓いました。とほほ。
 作品で言えば、ブルース・ナウマンの作品に尽きる。この作品は着想から30年かけて、実現された。大学の敷地内に作られた白い正方形の作品で、4つの三角形が中心部にむかって下がっている、逆ピラミッドの形。中心部に立つと目線がちょうど地面くらいになる。この作品を見るだけでも行く価値があるように思う。天候に恵まれれば、77年に設置されたジャッドのコンクリートの作品や87年のカバコフの作品などと今回の新作を見比べて楽しめる。横浜トリエンナーレも、毎回、必ず3点くらい永久設置にして残せばいいのになあ、なんて思いましたよ。緑地公園にさりげなく、ジャッドがあるなんてかなり素敵だし、77年なら出来たけれど2007年には出来ないプロジェクトである。
 ヴェネチア、カッセルにも共通することだが、ミュンスターでも夏の音楽イベントを行ったり、毎週末(あるいは毎日)レクチャーやガイドツアーが用意されている。せっかく現地まで足を運んだ場合に、何かしら、そこでしか出来ない経験を、というわけである。それは一見、良いことのように思うけれど、ファーイーストからの旅行者である私たちには、ますます時間のわりふりに困ったりして、、、。また、ミュンスターとカッセルばかりに目がいってしまうが、実はドイツ国内各地で時期をあわせて、いろいろな面白い展覧会が開催されている。それは要チェック。
作品はミュンスター中央駅の近くからもうすぐにあるので、荷物を預けて着いたところから見るか、一度、ホテルにチェックしてからエリアごとに見る作品のあたりをつけて、見てまわるか、いづれにせよ、バスと自転車を併用してみてまわることをオススメする。小さい街なので、バスもけっこう楽しい。
 これは蛇足だけれど、実は日本でウェブを使って、ホテルの予約をしたのだけれど、なかなかミュンスターの中心部や駅の近くのホテルが予約できず、困った。でも意外にもリーズナブルで清潔、快適なホテルだった。面白かったのは予約で満室のカッセルのホテルの予約をフロントのオバさんにお願いし、チップ代わりにキティちゃんのおもちゃアクセサリーをプレゼントしたところ、あっという間にフリードリシアヌム美術館にものすごく近いホテルの予約がOKになったこと!キティちゃん恐るべし、キティちゃんの人気に助けられました。Thank you キティちゃん!


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